助産学専攻科 / 女性や家族の尊厳と権利を尊重する倫理観を備えた人間教育を目指す

講義・学内演習の様子

看護師から助産師へのステップは、資格が一つ増えるだけとはいえ、なかなか大変です。それは、助産師には開業権があり、母子の命と家族の未来がすべて皆さんの手に委ねられることとなるからです。

はじめは座学で、助産とその周辺の学問について学んでいきます。助産師として働くためにはたくさんの知識が必要で、自己学習や課題にも多くの時間が費やされます。やらされているという受け身ではなく、主体的に学ぶという意識をもって臨んでください。講義に望むには、事前学習で十分な準備が必要です。

また、助産師は多くの技術も必要です。手を使って多くの情報を得るスペシャリストです。新しい技術を確実に身につけることで、母子を安全に管理できる能力を培います。

講義の様子
講義の様子

分娩介助演習の様子
分娩介助演習の様子

休憩時間
休憩時間

学生の声

中澤 優希さん (2019年度修了生)

助産学専攻科では、とても充実した1年間を過ごしました。日々の授業に加えて課題もしっかりとあるため、授業のない時間に図書室やパソコン室で文献を探すなどして、課題に取り組むことになります。スケジュールは密ですが、先生方の講義はとても興味深いものばかりでした。忙しい時も同級生と協力することで、楽しい学校生活を送ることができました。

実習の様子

乳児継続事例実習、妊産婦継続事例実習

乳児継続事例実習
乳児継続事例実習
乳児継続事例実習
乳児継続事例実習

入学して間もなくスタートする実習です。乳児継続事例実習では、12月まで月に1回、お母さんと赤ちゃんに大学に来ていただいたり、お宅に訪問したりして学ばせていただきます。

妊産婦継続事例実習では病院の指導助産師さんとともに、妊娠中期から1人の妊婦さんを受け持ち、産後1か月健診まで継続して学ばせていただいています。

継続事例の実習は、学生の皆様にとって生涯の宝物になります。しかし、ご協力いただくお母様やご家族の人生の大きなイベントに参加していることを忘れないでください。助産師としての知識や技術の成長も大切ですが、人間として、相手の方の大切な時間を共有させていただいているという真摯な態度や姿勢で、取り組むことがとても大切です。

分娩介助実習

この実習は24時間体制で実習をします。分娩は、助産師の判断によって母子の命が左右されます。また、産婦さんに寄り添い、高い緊張感が持続するなかで適切な判断力を養う実習ですから、体力も気力も必要です。

皆さんがこれから助産師として働くためのはじめの一歩として、ベテランの助産師さんたちから、助産の技を学ばせていただく実習です。産婦さんとそのご家族には、命がけで皆さんの実習にご協力いただいていること、助産師さんは母子の命を背負いながら皆さんにご指導くださっていることを忘れずに臨むことが必要です。すべての方々のご好意に感謝し、学生として一生懸命学んでいきましょう。

助産所実習
地域で母子とその家族を支える助産師さんのもとで、学びます。施設で働く助産師と同様の責任に加え、開業して大きな責任を担っている先輩が、一組一組の母子に対して、丁寧に、心を込めて、自らの命をかけて支える姿を学ぶことになると思います。助産所に泊めていただき、助産師としてのケアのあり方だけではなく、その生き様にまで触れることになります。自分自身の心を開いて、自分の目指す道の先を歩く先輩からしっかりと学べるようにしましょう。

学生の声

宮川 由希実さん (2019年度修了生)

実習では助産師に必要な知識や技術、家族の人生にかかわる責任の重さを学び、時には自分の未熟さを感じることもありましたが、先生方や実習指導者の方、受け持たせていただいたお母さんと赤ちゃん、そして切磋琢磨し合った仲間の存在が心の支えとなり、人としても成長できた1年間でした。上智大学では分娩介助実習のほかに妊産婦継続事例実習や乳児継続事例があるため、妊娠期から産褥期、育児期それぞれに必要な助産師支援について学ぶことができます。忙しい1年ではありましたが、充実した日々を過ごすことができました。

学会などへの参加


学会

助産師になることは、ゴールではなく、生涯の勉強の始まりです。免許取得後も自己研鑽を積みより良い助産の技を提供できる助産師に成長することが求められます。

学会などで成果を公表することも能力の一つとして求められています。学内での事例検討発表の他、教員のサポートの元、1年間の自分達の成果を学会で発表する機会も設けています。