総合人間科学部とは

総合人間科学部は、「人間の尊厳」をキーワードにして、上智大学の8つ目の学部として2005年に設置されました。本学部では、人と社会に寄り添い、「生き方」を考える力を身につけていきます。

多くの先進国が物質的に豊かになったといわれるようになって、かなりの年月がたちました。しかし、豊かさは世界の一部にしか見られず、大きな格差が続いています。貧しい社会はもとより、豊かな社会においてさえ、あるいは豊かな社会であるからこそ、人間の尊厳を危うくするさまざまな問題が噴出しています。

こうした状況の中で、総合人間科学部は、人間の尊厳が尊ばれる社会の実現に向けて教育を行っています。本学部は、「教育学科」「心理学科」「社会学科」「社会福祉学科」、そして「看護学科」から構成されます。これらの学科はいずれも人間および人間が構成する社会を研究対象とする学問で、人間と社会が抱える問題の解明とその解決を目指しています。

各学科のカリキュラムは、ヒューマン・サイエンス(科学の知)、ポリシー・マネジメント(政策・運営の知)、ヒューマン・ケア(臨床の知)の「知の3本柱」を核として構成されています。それぞれの学科では、専門領域を深くかつ幅広く学ぶとともに、人や人を取り巻く環境に目を向け、現代社会そのものについて理解を深めていきます。1年次から教員と学生が密にコミュニケーションをとることができる少人数教育を徹底し、人間支援に関する知識、職業人としての基礎となる教養力と資質、スキルを育みます。

4年間の体系的な教育を通じて、総合人間科学部は、学校や病院で、企業や地域で、そして世界で、人間の尊厳実現のために人を支え貢献できる人材、ソーシャル・イノベーションを担える人材を育成しています。