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災害復興からの介護システム・イノベーション
出版社 ミネルヴァ書房
発行年 2016年7月10日
価格 3,000円+税
目次
序章 災害復興からの介護システム・イノベーション(小笠原浩一)
- 災害とシステム・イノベーション
- 介護保険制度と地域介護システム
- 大規模災害と地域介護システムの進化
- 本書の構成
第I部 災害復興と新たな介護サービス
Summary(小山秀夫)
第1章 被災者包括サポートセンター構想(小山 剛)
- 中越地震の状況
- 地域包括ケアへのチャレンジ
- 被災者を支えるサポートセンター
- 広域な支援システム
- 事業継続と全国展開
第2章 コミュニティ型仮設住宅(高橋昌克)
- 市長の第一声「町の半分がなくなった」
- 3カ月後を考えた心のケア
- コミュニティケア型仮設住宅(平田第仮設住宅)の試み
- 医療介護からのコミュニティ型仮設住宅の考察
第3章 平時の民間事業者連携力を活かした重点型支援(今村あおい)
- 被災地支援の経緯と概要
- 被災地支援の実施状況
- 被災地の介護支援において求められる能力
- 平時からの取組みが緊急時に生きる
第4章 災害緊急時広域介護支援ネットワークの萌芽(田中知宏)
- 東日本大震災における介護現場の混乱
- 介護現場に対する介護事業者団体および専門職団体による支援
- 求められる災害緊急時広域介護支援ネットワーク
第5章 民間プロポーザルによる仮設住宅サポート拠点(馬袋秀男)
- 釜石市平田地区仮設住宅サポート拠点運営受託における取組み
- サポートセンターでの役割から学ぶ
- 物も心も豊かにするサービスを届けるために
第6章 福祉仮設住宅の創造的活用(池田昌弘)
- 福祉仮設住宅とは何か
- 石巻・開成のより処「あがらいん」の成り立ち
- 仮設期における「あがらいん」の具体的な実践と課題
- 復興期における一般化に向けた「ひなたぼっこ」の展開
- あがらいん・ひなたぼっこの継続のための提案
第7章 被災者支援アプローチの工夫と組織づくり(斉藤正身・工藤健一)
- 医療法人真正会の被災者支援活動
- 被災者支援におけるサービスアプローチの工夫
- 事業者間連携を可能にする組織づくりと組織運営
第8章 モバイルデイケアとリハビリテーション・サービスの多機能化(土井勝幸・加藤 誠)
- 災害とリハビリテーション
- 巡回型リハビリテーション(モバイルデイケア)の基本構想
- 石巻市「にっこりサンパーク」における取組み
- モバイルデイケア事業全体の効果の検証
- 被災者支援を通じたリハビリテーションのイノベーション
- 作業療法による貢献
第II部 復興への介護システム・イノベーション
Summary(栃本一三郎)
第9章 復興に向けた新たな社会連携支援(長野 洋)
- まずは現場へ
- 民間活動とそれを支える寄付,助成の動き
- WAM助成を活用した民間活動の実例
- 民間活動の課題と広域支援体制の整備
- 地域の再生と民間活動の役割
第10章 震災復興における医療・介護システムの重要性(後藤 純・辻 哲夫)
- 後期高齢者の急増
- 在宅医療を含む地域包括ケアシステムの構築に向けて
- 被災地復興の理念と道筋
- 被災地と都市部の未来の共通点
- 千葉県柏市豊四季台地域での取組み
- 被災地でのコミュニティケア型仮設住宅地の取組み
- 災害復興住宅における住民自治組織の立ち上げ
- 新しい手法の提案
第11章 地域医療の充実に向けて(石井 正)
- 震災への対応から地域医療体制整備へ
- 石巻医療圏における東日本大震災への対応
- 見えてきた被災地を中心とした宮城県・東北地区の地域医療の現状
- 地域医療再生への課題
- 地域医療充実に向けた東北大学の取組み
- 地域医療充実のための具体的対策
- 真に有効な地域医療の充実を目指して
第12章 後方医療・介護機能の弾力的編成(青沼孝徳)
- 涌谷町の地域包括ケアシステム
- 震災時における「地域包括ケアシステム」の有用性
- 復興にふさわしい健康都市コミュニティ像
第13章 24時間医療を核にする地域包括ケア構想(長 純一)
- 石巻市における地域包括ケアへの端緒
- 仮設住宅入居者の健康問題と仮診療所の取組み
- 石巻市全体の健康問題の実態
- 仮設住宅自治会活動・ボランティアとの連携・地域の支え合い
- 石巻地域包括ケア推進協議会と包括ケアセンター
- 石巻の地域包括ケアの将来
- 石巻の地域包括ケアと市立病院の将来
- さらなる展開:多職種協働教育の実践へ
第III部 地域包括ケアシステムへの新機軸
Summary(田中 滋)
第14章 地域包括ケアの推進(唐澤 剛)
- 地域ごとの高齢化状況の違い
- 社会保障・税の一体改革と地域包括ケアシステム
- 地域包括ケアシステムの法律上の位置づけ
- 地域包括ケアシステムの図の変遷
- 地域包括ケアシステムの構築にあたっての留意点
第15章 地域包括ケア体制の経営(西田在賢)
- 体制の経営管理に備える
- 地域包括ケアのシステム化と呼び方について
- 地域包括ケア体制の「経営」
- 医療・介護保障のサステイナビリティ
- サステイナビリティの根拠はアカウンタビリティ
- ヒューマン・セキュリティという概念
- 国と地方で分担する医療・介護保障の制度経営
- 地域保険と地域完結型医療・介護保障
- 医療・介護保障改革の要
第16章 地域包括ケアシステム化に向け自治体および事業者の担う役割(宮島俊彦)
- 地方分権の試金石
- 日常生活圏域ニーズ調査と地域包括ケア計画
- 医療・介護総合確保推進法案
- 医療と介護の連携の課題
- 医療と介護の連携方策
第17章 地域包括ケア推進における老人保健施設の新たな役割(東 憲太郎)
- 地域包括ケアシステムとは
- 老健とは
- 2025年に向けた老健の未来像
第18章 「地域包括ケア」システム化の最適単位(本田哲三・本田玖美子)
- 「高齢者協同企業組合」の登場
- 泰阜村の状況と設立趣旨
- 高齢者協同企業組合泰阜の実践
- 活動継続への課題と今後の展望
第19章 災害対応の国際的なガイドライン(小笠原浩一)
- 「心理社会支援」と「統合的ケア」
- 心理社会支援モデル
- 国際赤十字・赤新月社(IFRCS)の「心理社会介入」モデル
- 災害対策における優先性と復興力
- 「心理社会支援モデル」の応用
- ケアの統合性と統合の中身
終章 地域包括ケアシステムは社会実験か,未来の社会についての解釈論か(栃本一三郎)
- 既存枠を超え始めた地域包括ケア
- 教育場面に及ぶ地域包括ケア
- 人口減少による転換
- 人口減少の影響とヨーロッパにおける包摂・包括の意味
- 巨視的視点,社会政策からみた地域包括ケアの意味