看護学科 / 「看護」と「教養」の知を広く、深く獲得。多彩な分野での人間支援を目指す

学科長挨拶

学科長 石川 ふみよ
学科長 石川 ふみよ

新型コロナウィルス感染症のパンデミックによって私たちの生活には大きな変化が生じました。看護教育の現場においても、学内での演習や臨地実習が制限され、それに代わる学習方法の検討を余儀なくされました。結果として、オンラインやVRを用いた学習など、新しい学びのスタイルが生み出されています。また、ご家族との面会や外部との交流が制限された対象者を前にして、どのような看護が求められているのか、自分には何ができるのか、考える機会を得ました。このように危機は、新たな仕組みを生み出すとともに、原点回帰する機会となります。

上智大学は“For others, With others”(他者のために、他者とともに)という精神に基づいた教育を行っています。ここでいう他者とは私たちが手を差し伸べなければならない困難な状況下にある人たちのことであり、「他者」に寄り添い、今日の世界が直面しているさまざまなグローバル課題の解決を目指すために力を尽くすということが、上智大学の使命です。看護学科は、まさしくそれを体現する学問分野であるといえます。

上智大学では1913年の創立以来、少人数教育を行っており、看護学科も1学年定員70名の学生1人ひとりの個性と能力に応じたきめ細かい教育を行っています。開設して10数年が経過し、卒業生は、保健医療そして教育の現場において、また、総合大学での学びを活かし、他分野で、そして海外において活躍しています。これからも出会う一人ひとりの価値観と経験に敬意を払い、相手のよいものを引き出すことのできる「ヒューマン・ケアリングとしての看護実践力」を育成できるよう努力していきます。

学科理念

総合大学である上智大学のメリットを活かし、教養教育と看護専門教育を総合したカリキュラムで学びます。看護学科では、キリスト教の精神に根ざした人間理解を深め、目標である「温かでしなやかな感性」を育み、グローバルな視点に立った異文化理解を深め“他者のために、他者とともに”生きるための素養を身につけることを目指します。また、ケアする者とケアされる者の相互関係性に目を向けた良質なケアについて、考え抜く力、自ら問いを立て探究する力を駆使し、「主体的に取り組む学習推進力」を培うことを目指します。さらに、相手にとって最適な看護のあり方を思考する過程を通して、出会う一人ひとりの価値観と経験に敬意を払い、相手のよいものを引き出せる「ヒューマン・ケアリングとしての看護実践力」の修得を目指します。

カリキュラムの特徴・履修科目

本学の看護教育は、幅広い学問的関心を通して社会の変化や多様性に自律的かつ柔軟に対応できる素養を身に付け、質の高いケアを実践できる人材を育てることを目指しています。また、グローバル時代のニーズに対応できる国際性豊かな人を育むことを目標としています。これを実現するために、キリスト教の精神に基づく教養教育の全学・学部共通科目を学びます。さらに、あらゆる環境において最適な看護を実践できるように、看護の基礎科目や臨床応用力を培うための演習・実習科目を学び、専門職業人としての知識・技術・態度を深めます。

4年次は、関心のあるコース選択も可能であり、さまざまな場に応じた看護を実践し、リーダーシップを育むことを目指します。

【履修科目一覧表】(画像をクリックすると拡大図を表示いたします)

プラクティカル・リベラルアーツと実践学に基づく新しい看護教育モデル

選択コースについて

上智大学では、卒業後の実践の場へのつながりを意識し、4年次に2つの選択カリキュラムを設定しています。

保健師コース
保健師コースでは、保健師免許の国家受験資格の取得を目指すとともに、地域における看護・保健・医療・福祉のあり方を探求します。
国際看護学コース
グローバル化により国内外の医療現場の看護師の役割は拡大し、異文化を背景に持つ対象や家族と関わる機会が増えています。また、開発途上国での国際協力、在留外国人に公平で安全な看護を提供するために、対象の文化的背景や健康行動に関する幅広い知識や高度なコミュニケーション能力が求められています。本コースでは、海外の大学とのオンライン授業や学内演習、開発途上国での実習を通して、国境を超える普遍的な看護職の役割について多面的に学ぶことを目的としています。