学部長挨拶

新型コロナウイルス感染症の拡大の影響は、感染の恐怖のみならず、様々な面から人々の心や身体を蝕みました。また、現代社会はデジタルテクノロジーが発展し、グローバル化も急速に進み、少子高齢化や格差の拡大といった社会問題も深刻です。こうしたなか、「人間の尊厳」を核とする総合人間科学部の学びが、今こそ求められています。

人間の尊厳を核にするとは、年齢や性別、暮らし向き、障害の有無などにかかわらず、すべての他者を尊重する視点や態度を養うことです。そのために、総合人間科学部では「科学の知」とともに「臨床の知」や「政策・運営の知」を重視して教育活動を展開しています。

本学部の各学科は、社会のリアルな現実を人間科学の各分野の理論や方法論に基づいて多面的に理解したうえで、人々が抱える困難や悩みに正面から向き合うことを大切にしています。

これからの社会をどう生き、支えるかは全世界に共通する課題です。総合人間科学部の学生として、いま私たちが考えなければならない課題に向き合うことで、将来、人々のケアやサポートにおいて力を発揮してほしいと願っています。

総合人間科学部長 酒井 朗